「名前?必要ありますか?」
不思議そうに首を傾げている担当者をハワードが眺める。
「そりゃ、必要だ…ビジネス・パートナーだろ?君がこれから僕の担当者なんだし」
「ビジネス・パートナー?」
聞いてない…
そう、担当者の男は笑みを顔に貼り付けてはいるがハワードの話を聞いていない。
それでも、なお…
「名前、は?」
茶色い巻き毛に童顔、それに似合わない大人っぽいスーツの色。
ハワードは元々、担当者についても拘っていた。
over 35 で童顔…
仕事のやる気にかかわると言えば相手側は無理にでも探してくれる。
ハワードはVIP。
プログラミングで彼の上を行く者はいないからだった。
「ゲイリー・ビアッジです。」
ハワードのめげないオーラに負けたのか名乗る担当者。
…ハワードなりの繰り返しに対する賭け。
続く。